


ある容積のトナーは微粉末の集合体であり、室温下において手に触れるとサラサラした状態である。
この状態で試料に外力を与えると、粒どうし擦り合うだけで、その集合体にひずみが生じたわけではないので弾性率を求めることは出来ない。
| ・前処理 | 内径φ20mmのシリンダーに0.7gfのトナーを入れ中実棒で 1.5ton/cm2加圧。 取り出したトナーは下記の形状になる。 |
| ・試料形状 | 直径φ20mm 厚み2mm |
| ・温度範囲 | 40~200℃ |
| ・昇温速度 | 5℃/min |
| ・測定間隔 | 2℃ |
| ・測定周波数 | 1Hz |
| ・測定治具 | パラレルプレート(上下2枚の平板に試料を挟む) |
| ・角振幅 | ±0. 1~2deg自動調整(ひずみに関係する) ひずみ:試料の変形と原形の比 |
| ・振動軸方向の 荷重制御 |
200gf |
図2は動的複素粘度(以下粘度)η*と温度の関係である。
90℃付近で粘度が急上昇しているのは次の通りである。測定開始温度40℃から昇温過程90℃付近まで試料(ペレット)が硬く、外力を与えると試料とプレートの接触面(図3)で滑りが生じる。
そのため外力が小さく、それに比例する粘度は低くなる。90℃付近で試料が柔らかくなると、滑りがなくなるため外力が急上昇し、粘度は急上昇するのである。